<大動脈弁狭窄症とは?>

 

★心臓の大動脈弁が硬くなり、開きにくくなる病気です。重症になると突然死を起こすことがあります。

 

大動脈弁狭窄症は、大動脈弁の開きが悪くなり、 血液の流れが妨げられてしまう疾患で、近年の高齢化に伴い年々増加してきています。 軽度のうちは動悸や息切れ、疲れやすさを自覚することがありますが、症状が現れにくく重症になってから発見されることも少なくありません。重症になると、狭心症(胸の痛み)、失神、心不全症状(息切れ、むくみ)が現れ、治療を行わないと予後が極めて不良であることが知られています。重症な症状が現れた患者さんの約半数は2年以内に命を落とすという統計データがあります。そのため、早期の診断と治療をすることが非常に大切です。

<大動脈弁狭窄症の治療法とは?>

 

★経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は、高齢や他の病気を合併しているために、外科的手術に耐えられない患者様に恩恵がある新しい治療法です。

 

 大動脈弁狭窄症に対する治療法は、重症度によって変わってきます。無症状の場合は、薬による保存的治療や経過観察が選択されますが、重症の場合の治療法は、弁を取り換える処置が必要になります。手術に耐える体力がある患者さんに対しては、外科的大動脈弁置換術が行われます。しかし、手術のために大きな傷をつくること、心臓を止めて人工心肺装置を使うことが体への大きな負担になりますので、高齢の方や他の病気を合併している方では、外科的手術が無理だと判断される場合が多くありました。経カテーテル大動脈弁置換術TAVI)は、まさにこのような患者様に恩恵がある新しい治療法になります。

TAVIとは?>

 

★カテーテルを用いて、開胸することなく、心臓を止めることなく、新しい人工弁に取り換えてくる治療法です。

TAVIは、重症の大動脈弁狭窄症に対する治療法で、カテーテルを用いて、開胸することなく、また心臓を止めることなく人工弁に置き換えてきます。傷口が小さいことに加え、人工心肺を使用しなくて済むことから、患者様の体への負担が少ないこと、早い社会復帰が期待できることが大きな特徴です。ご高齢のために体力が低下している、もしくはその他の疾患などのリスクを持っているなど、外科的手術が困難な患者様にとって、新しい治療選択肢となります。

TAVIの方法は二つあります。一つは、足の付け根の太い動脈からカテーテルを挿入する「経大腿アプローチ」で、体への負担が最も少ない方法です。もう一つは、足の血管が細く、カテーテルの挿入ができない患者様に対し、左胸部の肋間を小さく切開し心臓の先端からカテーテルを進める「経心尖アプローチ」という方法です。患者様の術前検査結果を、ハートチームカンファレンスでよく議論し、最適な治療法を決定します。

 

 TAVIの手術時間はおおよそ1時間半~2時間程度です。合併症なく順調であれば、術翌日から病棟内歩行からリハビリを開始し、710日前後で退院可能となります。

<ハートチームとは?>

 

 TAVIは、多職種から構成される専門チームで入院から治療、リハビリ、退院まで協力して治療にあたることが必要とされています。この専門チームをハートチームと呼びます。当院でも循環器内科医、心臓血管外科医、麻酔科医、看護師、放射線技師、臨床工学技士、リハビリ士が力を合わせて治療にあたらせていただきます。

ハートチームカンファレンスの様子

経大腿アプローチのTAVIの様子

経心尖アプローチのTAVIの様子

生体弁をカテーテルにくつける作業(クリンプ)の様子

TAVIについて、よくあるご質問>

 

Q1.治療による痛みはありますか?

A.当院では治療は全身麻酔をかけた状態で行われますので痛みを感じることはありません。治療後にカテーテルを挿入した足の付け根に痛みが残ることがありますが、数日~1週間程度でおさまります。

 

Q2.希望すればTAVIを受けることはできますか?

A.TAVIは、高齢や合併疾患をもっていることなどから、開胸手術の危険が高いと判断される患者様が対象となる治療法です。また、カテ―テルで心臓まで到達できるかなど、いくつかの精密検査を行った上で、当院のハートチームでTAVIが施行可能であるかどうかよく検討を行い、最終判断いたします。

 

Q3.TAVIの治療費(自己負担額)は?

A.TAVI治療には、健康保険、高額医療費制度が適応されます。TAVI治療入院(7-14)で、高額医療費制度(一般所得者)を利用した場合、70歳未満の方は約14万円、70歳以上の方は44400円とされています。

 

Q4.TAVIで使われる生体弁の耐久性はどのくらいですか?

A.海外の報告によると、TAVI生体弁留置後8年の追跡調査において再治療を必要としたものは約1%でした。それ以上の耐久性についてはまだ詳細なデータはありません。

 

Q5.TAVIを受けた後にMRI検査はできますか? 

A.基本的に問題ありませんが、撮影部位について主治医に相談するのが望ましいです。

 

TAVIについてのご相談・受診について】

 

●患者様へ:

 気になる症状やご相談がございましたら、かかりつけ医にご相談の上、山形大学医学部附属病院 第1内科新患外来を受診してください。かかりつけ医をお持ちでない患者様は、第1内科新患外来へお越しの上、ご相談ください。

第1内科新患外来: 平日(月~金) 午前8:30~11:00 受付

 

●緊急医師専用ご相談窓口:

 023-628-5302 (山形大学医学部 内科学第一講座 医局)

 TAVI担当医と直接お話しいただく場合、田村 をお呼び出しください。

 

【ご紹介方法について】

 

地域連携室へのリンク  http://www1.id.yamagata-u.ac.jp/MIDINFO/t-medical/region/