腎臓・膠原病グループ 高崎 聡

2010年9月1日からスウェーデンのストックホルムにあるカロリンスカ研究所(Karolinska Institutet) に短期留学しました。
 ストックホルムは人口80万人程度と、首都としては決して大きな都市とは言えませんが、古い町並みと近代的な建物が海と多くの湖そして豊かな緑に調和した非常に美しい街です。「世界一美しい首都」と言われるのもうなずけます。毎日通勤途中に眺めていても飽きることがありません。
 カロリンスカ研究所は医科系単科大学としては世界最大級の規模とされています。またノーベル医学生理学賞の選考委員会があることでも有名です(先日10月4日にキャンパス内で発表がありました)。12月には受賞者が研究所にレクチャーをしに来るそうです。ノーベル賞選考のため世界中から各分野の最新の情報が収集されるため、それがスウェーデンにおける研究の大きな強みになっており、またそれを求めて世界各国から研究者が集まり、他施設との共同研究も広く行われていると聞きいています。
研究所は街の中心部近くにあるSolnaキャンパスと郊外のHuddingeキャンパスに別れており、それぞれに併設の病院があります。私のいるDepartment of Clinical Science, Intervention and Technology, Division of Baxter NovumはHuddingeの方にあり、病院にあるDivision of Renal Medicineと一緒に腎不全、透析患者の臨床疫学研究および基礎研究を行っています。ここは、末期腎不全患者に高頻度に見られる栄養障害(Malnutrition)、炎症(Inflammation)、動脈硬化(Atherosclerosis)の3つの病態が相互に関係し予後を悪化させるという概念を「MIA症候群」として提唱したグループです。もともと腹膜透析の分野でこちらの先生方と多少面識があり、今回約2ヶ月と短期間ではありましたが受け入れていただきました。現在私は、私達が持っている2つのコホート(一般住民と透析患者)について、こちらの先生方のアドバイスをいただきながら解析を進めています。ここでの研究手法は私達と基本的に同じですが、1つのコホートから100本論文を書くという意気込みに刺激を受けています。また海外からの研究者が非常に多いという環境も私にとっては新鮮です。私のいるDivisionでもBossとAdministrator(秘書さんのような役割の人)以外(自分も含めて)すべて外国人である他、欧州各国やアフリカなどからも頻繁に研究者が訪れています。当然ここでのofficial languageは英語であり、今更ながら英語力の重要性を痛感しています。ちなみに今回受け入れて下さったBossは人格者かつ非常に気さくな方で、口癖は’very good!’と’excellent!’です。留学生の生活にも非常に気遣いをしてくださりありがたく思っています。
来た当初は夜の9時近くまで明るく、街の緑も青々としていましたが、最近は6時にはもう暗く、木の葉もすっかり色づきました。山形も四季ははっきりしていますが、ストックホルムのこのひと月間の季節の変化に驚いています。残り1ヶ月、そろそろ家族や日本が恋しくなってきましたが、異国での貴重な残り時間を有意義に過ごしたいと思っています。
最後になりましたが、大変貴重な機会を与えて下さった久保田教授、ならびに第一内科の諸先生方には深く御礼を申し上げます。