循環器グループ 宍戸哲郎

Cardiovascular Research Institute, University of Rochester (CVRI)
 2005年8月からNY州Rochester市にあるUniversity of Rochesterへ家族とともに研究留学しております。RochesterはNY州で3番目に大きい都市ですが、決して都会ではなく、NY州北部、五大湖のオンタリオ湖の南岸に位置する自然豊かな場所です。NY city までは飛行機で1時間、Torontoまでは車で3時間の所に位置しています。私たちの住むWhipple parkは林に囲まれているため、シカ、リス、スカンク、夏には蛍などが出没し私たちの目を楽しませてくれます。

University of Rochester (U of R)
 University of Rochesterは1850年に創設され、その後コダックの創業者George Eastmanからの莫大な寄付によって規模を拡大し、物理学、医学、経済学、音楽、光学などあらゆる分野ででトップクラスを維持している大学です。2002年ノーベル賞物理学賞を受賞した小柴昌俊名誉教授は1955年にU of Rの大学院でPhDをとり、また2006年7組目の親子受賞となったRoger Kornberg(ノーベル化学賞)の父 Arthur Kornberg は、U of R School of Medicine and Dentistry の卒業生でありDNAポリメラーゼの発見で1959年ノーベル医学生理学賞を受賞するなど、卒業生、大学教員から8人のノーベル賞受賞者を輩出しています。

Cardiovascular Research Institute (CVRI)
 University of Rochester Medical Center、Department of Medicineに所属するCVRIはBradford C. BerkとMark B. Taubmanの二人がDirectorであり、阿部 純一先生はそのAssociate ProfessorとしてAbe Labを運営しています。Abe Labには私のほか2人のポスドクが在籍し、阿部先生の指導のもと研究を行っています。中国出身のBo Dingはアメリカで実験を始めて約9年経ちますが、中国大陸文化の大らかさをを感じさせます。韓国出身のChang-Hoon Wooは、非常に几帳面でvitroの実験に精通しています。病的状態での心筋傷害、内皮傷害進展のメカニズムの解明のため、心筋内皮保護作用を持つERK5やPPARのストレス下での反応や、高血糖ストレスで活性が上昇するp90RSKのシグナル伝達などを中心に、3人のポスドクが共同で研究を進めています。阿部先生を始め、多くの研究者はとても勉強家であり、また一つ一つの実験データの解釈や考察が著しく卓越しています。そのため週一回のmeetingや不定期に行われるdiscussionでは、するどい指摘、提案が常にされます。Berkラボにも様々な国から研究者が集まり、彼らとの交流は刺激になります。

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U of Rのシンボル的建築物(図書館)
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ラボから眺めた外の風景

Rochesterでの生活
 Rochesterは北海道釧路市と同程度の緯度のため、短い夏は日差しが強く、冬は日が短くて非常に寒いです。冬の夜中にラボへ行くときには、厳重な防寒対策が必要なときもありますが、アパート内は1968年に建てられたとは思えないほど暖かく快適です。春から秋にかけては、バーベキューをして家族で週末を楽しんでいます。

 近くには農場が多く点在し、りんご、ブルーベリー、ラズベリー、イチゴ、ぶどう狩りなどいろいろな果物を楽しむことができます。また、春から冬の初めまで Festival が数多く開かれ、家族にとって貴重な体験となっています。Rochesterの南にFinger Lakes、西にはNiagara Fallsがあり、日本とは違うスケールの大きな風景には常に驚かされます。アメリカでの生活で、言語の違いだけでなく、文化の違い、常識の違い、考え方の違いを経験することができたことは、研究面のみならず大変勉強になっています。

 

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夏は日差しが強いので、Whipple park でのバーベーキューは日焼けに注意が必要です。

 

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この日はこの冬一番の寒気で平均気温-11℃
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Finger LakesにあるLetchworth State Parkを
地元の人達は東のグランドキャニオンと
呼んでいます